冬の間もたまに見かけることはありましたが、1カ月に1度くらいの頻度ですし、なにしろヤツらは小さい。何度も言いますが、アリですからね。
もしやりんごの皮と一緒に捨てたかしら、とか、ゆうべパスタを茹でた熱湯を勢いよく流してしまったけれどもまさかまさか・・・、とか、心当たりが数知れずあるわけで、しばらく見ないと「マー冬だしぃ」なんて気楽なことも言ってはいられないわけです。
それくらい彼らとの生活は神経を遣う、なかなか大変なことなんでありますよ。わたしのこの苦労をわかってんのかな、あいつら。昆虫ってだから嫌よね。無神経で。

まあそんな心配の冬でしたが、本日4月1日、モハメドを一気に発見いたしました。まさに啓蟄っていうんでしょうか。春なんですねえ。
花瓶のチューリップのところと冷蔵庫の側面と、シンクの縁と。
まてよ。3匹居やがる。
 

初めて出会ったときにも2匹暮らしと知ってたいそう驚きましたが、どうやら今は3匹暮らしの様子です。ははははは。もう驚かねえよ。どだい醤油の蓋のなかで暮らすアリってだけですでに充分で、そこに2匹暮らそうが3匹暮らそうが、知ったこっちゃないや。
そう思った瞬間。

4匹目のモハメドがタイルの壁をおっちら昇っていくのを発見しました。そして複雑な気分のわたしの見ている目の前で4匹のモハメドは次々に醤油の蓋に消えていったんであります。
おのおの細胞分裂でもしたのか、おまえらは。

はじめから4匹なのか、どこからかスカウトしてきたのか、見当もつきません。それともまだ数匹が、中に潜伏しているんでしょうか。働きアリばかりなんで、ここで増えたってことはないと思うんですが。
だいたい醤油の蓋は直径約3センチ、内部の高さは未測定です。どうやって4匹は住んでるのでしょう。いや、そもそも醤油の蓋はアリの巣とは違うわけで。中に異次元への扉でもあるんでしょうかね。

でも一回中を見てしまうと、こびとの靴屋みたいにモハメド達がわたしの生活からふっと消えてしまうような気がしてしまいましてね、覗けません。ははは、笑ってもいいですよ。
わたしはこれからも用心しいしいりんごの皮を捨てたり、お湯をひっくり返す前にシンクの隅々を確認したりして生活していくんだと思います。
ああっ引っ越すときはどうしたらいいんだろう。誰かを置いていってしまったらどうしよう。新しい環境をモハメドたちは喜んでくれるだろうか。

まったく世話の焼けるモハメドたちです。でも冬を越しておめでとう。よかったね。