
| 亡くなった文
治師匠の高座で覚えてきた小話があります。 鮹の手の見つけ方というのです。 知ってます?鮹ってちゃんと8本のうちどれかが手なんですよ。どれかって?あのね、鮹を掴まえてきて「ポカン」って頭を殴るの。鮹の野郎が「イテッ」て頭 を押さえたのが、手。 わたしは文治師匠のマクラでこれを聞いたとき本当に可笑しくてこの話が大好きになったのです。辛いときとかよく思い出します。なんとなく盛り上がらない場 をなごませたいときには必ず使います。ばかうけはしませんが、たいていみんなちょっと気が抜けたように笑います。 何年か前にだれかにこの話をしてあげようとして、 「どうやって鮹の手を見つけるか知ってる?」とはじめると、なんとそのひとは「ピストル向けて"手をあげろ"って言うんじゃないの?」と言ったのです。驚 いたな〜。まさかそうくるとは思いませんでした。そうか、その手もあったね。 最近よく話の相手をしてくれる中華街の関帝堂さんにも鮹の話をしました。 「どうやって鮹の手を見つけるか知ってる?」 関帝堂さんは「・・・握手を求める?」と仰いました。友好的!関帝堂さんは心優しくグッドルッキングな若者なのですがまさに彼らしい鮹の手の見つけ方で す。 だれしも、自分にあった鮹の手の見つけ方を持つべきじゃないのか。 わたしはいま、そんなことを思っています。 わたしは鮹を見たら「くすぐっちゃうよ〜」といって指をわきわきさせたいと思います。鮹めが、やめて〜って言いながら脇の下を押さえるのが手ですよ、きっ と。 |
