OHTAKI'S MODERN CARTOON

長生き猫の巻

うちには長生 き猫がいます。
1984年の夏の終わりに貰われてきました。そのときすでに子猫とは言えないくらいの大きさだったので、たぶん半年から一才くらいではなかったかと記憶し ています。捨て猫だったそうでもとの飼い主もそのへんはよくわかっていませんでした。
というわけで今年は2006年。少なく見積もっても22才です。人にすると100才以上とのことで、まことに長生き猫なのです。

昨年の3月に腎臓病で死にかけましたが、お世話になった先生の適切な処置と、猫の気力でしょうか、長らえました。ただいま自宅療養中です。すっ かり痩せてしまいましたが、しゃんしゃんと家中を 歩き回り、病気用の調整食を食べては、粗相もせずに自分でトイレに行き、小さなうんこを製造したりしています。

ありがたい。ありがたいことだ。

日だまりにたたずむ姿は、ご隠居そのものです。一昨年くらいまではテラスに来た雀に意欲を見せたりしていましたが、ちかごろは目の前1メートルあたりに来 てい ても「ほう、雀じゃのう」と吹き替えしたくなるような枯れよう。
まあね、22才ですから。

最近、寒い日に限って食欲ががくんと落ちるので、もしや冷たいのかもと戯れにごはん(病猫用缶)をチンしてみました。すると、なかなか意欲的に食 べ始めた。思い切ってほかほか湯気が出るほどにしてみたら、もうあたかも体育系部活後の高校生男子のような勢い。さめた食べ残しのお皿の前でじっと座って また暖かいのが出てくるまで待っていたりいたします。
猫舌、っていう言葉があったようですが。

痩せてしまったので冷たいごはんで体温が下がるのを避けているのかもしれません。どんだけ痩せてるかというと、布団にもぐりこむと羽布団ですら重くて身動 きがままならないというくらい。人が布団の中にいるときは布団の重量のかからない脇の下が定位置で、人がいないときはクッションで厚みを出して貰って横 の隙間で眠ります。

脇の下で丸くなって眠る猫をなでると、大好きな絹のようななめらかな毛並みは昔のままですが、あちこちの骨がごつごつと手にあたって、いかにも小さく、つ いなみだが出ます。
長生き猫がなにを考えて生きているのかは謎ですが、幸せだといいなと思うのです。
tulipa@mamioh.com *MAMI OHTAKI*

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