OHTAKI'S MODERN CARTOON

タカハシ・デーの巻

タカハシさんの仕事を進めていたら、タカハシさんから電話がありました。
このタカハシさんは今、目の前にある仕事の依頼人であるタカハシさんではありません。違うタカハシさんです。

違うタカハシさんからの電話の内容は、新しい仕事の依頼でした。
違うタカハシさんからの依頼をお引き受けします。
このタカハシさんとはもう10年くらい昔からときどき仕事をご一緒しています。ひさしぶりですねえ、なんて世間話に花が咲く。
電話を切ってさっきから進めているタカハシさんの仕事を続行します。

タカハシさんから電話がかかってきました。
このタカハシさんは、いままさに続行していた仕事の依頼人のタカハシさんです。
「いつできそう?」
催促でした。このタカハシさんはわたしがデザイン事務所で丁稚奉公をしていたころにお世話になった関係上、頭があがりません。ぺこぺこ謝って電話を切り、あわてて仕事を続行します。

ファクスが送られてきました。タカハシさんからです。
これは続行中のこの仕事の依頼者のタカハシさんではなく、さきほどのひさしぶりだったタカハシさんでもなく、ここ1年ほど週刊誌の仕事を担当して下さっているタカハシさんです。
ざっと原稿に目を通して、タカハシさんの特徴のあるのたくった字のメモを読んでちょっと笑わせてもらいました。さてと、催促されたタカハシさんの仕事を進めます。

またファクスがきました。これは催促の電話をかけてきた最初のタカハシさんからで、追加分の依頼原稿でした。送り主のタカハシさんに電話をかけて、内容を確認しながら軽く打ち合わせをして、電話を切ります。もちろん仕事を続行します。

メールをチェックすると、タカハシさんから届いています。これは新しい依頼をしてきた世間話をしたタカハシさんからで、「さきほどはどうも」で始まっています。依頼の詳しい内容でした。ざっと読んで締め切りを確認して大丈夫かなあとか思いながら、引き続きはじめのタカハシさんの仕事にとりかかります。

その後もファクスを送ってきた特徴のある字のタカハシさんから電話が1回あり、催促をしてきたタカハシさんの仕事を終えたときには、もう夕方になっていました。

黄昏ていくこの良き日を、ひそかに「タカハシ・デー」と名付けた次第です。

 

tulipa@mamioh.com *MAMI OHTAKI*

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